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妊娠糖尿病に関すること

つわりがきつくて妊娠中の食事に悩む

つわりがきつくて妊娠中の食事に悩む

悪阻は早い人で生理予定日すぐから現れる人がいる。だいたい5週から16週には軽快するのが特徴。つわりは水分や軽食の摂取を行うが、糖代謝異常妊婦では、食べられるものが限られて血糖値管理が難しくなる。糖代謝異常を持つ妊婦は、糖尿病専門医のいる病院に相談することが必要。

とはいえ、食べられるものを食べるので必至な状態なので、柔らかく煮た魚やスープなどを取り、難しい場合は、点滴などで栄養補給を行い、筋肉の減少を抑えなければならない。
食べられない時期は、脂肪から糖をねん出して血糖値を保つが、つわりが続き、食べられない日が続くと筋肉量の低下や血管がもろくなるリスクがある。糖質制限も過剰になると同じ状態に陥るため、血糖値の上昇を恐れすぎてはいけない。少しぐらい高いときがあっても、いつもで無ければ食べたほうが良い。

妊娠糖尿病になると何が怖いの?赤ちゃん編

妊娠糖尿病になると何が怖いの?赤ちゃん編

糖尿病合併妊娠及び妊娠糖尿病の胎児ともに、母体高血糖からの胎児高血糖が胎児期及び新生児期に影響を及ぼす。高インスリン血症も胎児の発育・発達及び新生児に重大なリスクを与える。主な合併症は、巨大児、低血糖、低カルシウム血症、呼吸障害、そして、その後の糖尿病や神経発達障害のリスクが高まる。

1 胎児に良くないこと

胎児の成長
妊娠20週までの母体の高血糖は、成長低下と関連する。胎児への高血糖の影響は胎児の高インスリン血症を誘発し、巨大児となる。一方、母体糖尿病血管病変を伴う場合、37週以降に新生児の成長が制限される。高血糖が続くことで胎盤不全になりやすい。

胎児の高インスリン血症があることで、臓器肥大を起こし、心筋肥厚、肝腫、などの原因になる。
グリコアルブミンが15.8%以上で新生児低血糖、多血症などを引き起こす。

2 胎児死亡

糖尿病の母体の胎児は、非糖尿病母体に比べて、死亡率は5倍。高インスリン血症も脂肪率を上げる。

巨大児
糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病は、臓器肥大と多血症のリスクが高い。

3 新生児低血糖

低血糖症
妊娠糖尿病及び、糖尿病合併妊娠は、15%~25%の新生児に出現する。
出生後3日間は観察が必要。



妊娠糖尿病になった時の治療方法

妊娠糖尿病になった時の治療方法は、

1 食事療法

摂取エネルギーは、標準体重(身長x22×30(kcal))で計算します。

分割食 
血糖値の上がり幅をできるだけ低くしながらもしっかり栄養を赤ちゃんへと送るために1日3回の食事を6回に分けて取ります。
1日に必要な栄養を少しづつ食べる。という方法ですね。
食べることが辛い悪阻のある妊婦さんには大変ですね。その場合は、中鎖脂肪酸のオイルなどでカロリー補給をしても良いかもしれませんね。

低GI
これは、食品による血糖値の上昇の違いがあり、それを意識して食材を選ぶことが大切です。白米は急激に血糖値を上げますので、玄米を食事の最後の方に食べることが血糖値の急上昇を避け、インスリンの大量分泌も防げますね。

栄養
たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル・・・
名前は知っているけど、なかなか私たちには分かりにくいものです。妊娠糖尿病になってから、初めて栄養を意識する人が多いのではないでしょうか。これを知るとこれからの長い人生においてとても良い学びになると思います。これをチャンスとしてこの際しっかり学んでみましょう。

2 運動療法

食事療法と同様に運動の力は血糖値を下げずらくなっている私たちのからだにとってはとても強い味方です。とはいえ、激しい運動はお腹の張りを誘発するのでNGです。妊婦さんには、ゆっくりしたウォーキングや息を深く吐くヨガなどが無難な運動と言えます。お天気の良い日に、少し遠いスーパーにお散歩で行くのが良いかもしれないですね。ウォーキングはストレスも飛んで行ってしまいます。この時期は少ししたことでもウジウジ考えがちな時期。たくさん歩いて赤ちゃんにもしっかり良い空気を送ってあげましょう。

3 血糖値測定

妊娠中の血糖値の目標は、空腹時で100mg/dl以下
食後2時間後 120mg/dlが目標です。

アメリカの基準では食後1時間後では、140mg/dl以下が望ましと言う意見があります。これは、血糖値スパイクを起こさない数値だということかもしれないですね。
血糖値測定器は沢山の種類があります。2週間つけっぱなしのフリースタイルリブレや指先の血をだして測るSMBG、最近では血を出さないウエラブル端末も登場しています。

病院の血糖値管理の方針は以下です。

SMBG導入後は、7回/1日 起床時から就寝時までの日内変動を観察します。
1週間ほど観察したのち、問題がなければ測定数を4回や3回へと減らしていきます。

妊娠糖尿病の特徴

妊娠糖尿病の特徴は、妊娠による母体のホルモンの分泌の変化や代謝系の変化が目まぐるしく、胎盤を通して胎児に影響を与えることが知られている。
妊娠中のお母さんの体は、「インスリン抵抗性」が生じる。からだは血糖値を下げようと、更に沢山のインスリンを出そうと動く。結果、インスリンが多量に出る状態の「高インスリン状態」に陥るため、血糖値は上がりやすく空腹時の血糖値が異常に低くなってしまう。

インスリンが多く分泌されることで、中性脂肪へと蓄積されて行くことが、母体の肥満を呼ぶ。肥満は上記の「インスリン抵抗性」を強くするため、悪循環である。
妊娠糖尿病の特徴は、母体特有の代謝により、一般的な糖尿病よりも複雑な環境下にあることが分かる。妊娠中の特に後期には血糖値が高くなり、下がりにくくなる傾向が強いようです。

妊娠中の運動は?

妊娠中に運動することは、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの予防に有効といわれています。

糖代謝異常のある妊婦さんで運動するこで、心機能の改善、血糖コントロールの改善、脂質代謝の改善、インスリン感受性の上昇などさまざまな効果があります。

運動の強さは「ややきつい」と感じるまでが望ましいです。

例えば、ウォーキングやヨガなど。

妊娠中の運動は体重のコントロール、腰痛、倦怠感、むくみなどのトラブルを減らしたり、精神的なストレスの解消、分娩にかかる時間の減少、帝王切開率の低下などのメリットがあります。

また、ブドウ糖、脂肪酸の利用を促してインスリン抵抗性を改善する効果もあります。

ただし、切迫流・早産や胎盤位置異常、胎児発育不全、多胎妊娠などの産科合併症がある妊婦さんや、内科合併症として高血圧、糖尿病がある妊婦さんは状態によります。

運動できない→心臓の病気、破水、早期の陣痛、多胎、出血、前置胎盤、子宮頸管無力症、3回以上の自然流産

場合によって運動できる→高血圧、貧血や他の血液疾患、甲状腺疾患、糖尿病、動機・不整脈・妊娠末期の骨盤位、極端な肥満・やせ、早産の既往、子宮内胎児発育遅延の既往、妊娠中出血の既往、極端に活動しない生活をしている

妊娠糖尿病になって①

第一子妊娠

2015年3月、第一子妊娠。2年前に初期流産したこともあり、最初は赤ちゃんができて嬉しい気持ちと不安な気持ちでいっぱいでした。
もちろんその時は血糖値のことなんて気にせず、つわりで少し気持ち悪いこともあり普通に食べたいだけ食べていました。
妊娠初期の血液検査の日。その日はなにも気にせず朝食は食パンを食べた記憶があります。

検査結果を聞いてから私の食生活が大きく変わりました。

妊娠中の糖代謝異常

妊娠糖尿病は「妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常である」とされています。

妊娠中の明らかな糖尿病や糖尿病合併妊娠はふくまれません。

1.妊娠糖尿病

75gのブドウ糖を摂取する検査をして、次のうち一つ以上に当てはまる場合

  • 空腹時の血糖値 92㎎/dl以上
  • 75gのブドウ糖を摂取して1時間後の血糖値 180㎎/dl以上
  • 75gのブドウ糖を摂取して2時間後の血糖値 153㎎/dl以上

2.妊娠中の明らかな糖尿病

つぎのいずれかを満たした場合

  • 空腹時の血糖値 126㎎/dl以上
  • HbA1c 6.5%以上
    ※ただし、空腹状態にかかわらず血糖値が200㎎/dl以上または、75gのブドウ糖を摂取して2時間後の血糖値が200㎎/dl以上の場合は、妊娠中の明らかな糖尿病の可能性があるため、1または2にあてはまるかどうか確認が必要です。

3.糖尿病合併妊娠

妊娠前にすでに糖尿病であると診断されている

確実な糖尿病性網膜症がある

インスリン注射って?

妊婦さんの血糖値が高いことはお母さん・赤ちゃんにさまざまなリスクがあります。食事や運動で血糖値が下がらなかった場合、インスリン療法で血糖コントロールが行われます。

妊娠前に糖尿病で血糖値を下げる薬をのんでいる場合は、妊娠前からインスリン療法へ切り替えられます。

食事のタイミングで効くインスリン

  • 速効型インスリン:30~1時間で効きはじめ、効くまで最大1~3時間かかります。昼食前30分に皮下注射します。
  • 超速効型インスリン:5~15分で効きはじめ、効くまでに最大45~75分かかり、効果がつづくのは2~4時間と短いです。そのため食事を食べる直前に投与します。

1日を通してインスリン分泌が少ない時に補うインスリン

  • 中間型インスリン:1~3時間で効きはじめ効果が続くのは18時間以上です。ただし夜中に低血糖を起しやすいなどがあります。
  • 時効型溶解インスリン:中間型インスリンと比べて長時間安定した効果があります。

インスリンで妊娠中の効果と安全性のエビデンスがそろっているものは、

  • ヒトインスリン(速効型ヒトインスリン、中間型ヒトインスリン)
  • 超速効型インスリン(インスリンリスプロ、インスリンアスパルト)
  • 時効型インスリン(インスリンデテミル)

です。

インスリンの種類

インスリンの種類と妊婦への安全性についての添付文書上の記載内容

分類 一般の名前 商品名 添付文書の記載(妊婦への安全性についての記載)
速効型
インスリン製剤
ヒトインスリン ノボリン

ヒューマリン

慎重投与
超速効型
インスリン製剤
インスリンアスパルト ノボラビット 慎重投与(本剤の妊婦への使用経験は少ない)
超速効型
インスリン製剤
インスリンリスプロ ヒューマログ 慎重投与(妊娠中の投与に関する安全性は確率していない)
超速効型
インスリン製剤
インスリングルリジン アピドラ 慎重投与(妊娠中の投与に関する安全性は確率していない)
中間型
インスリン製剤
ヒトイソフェンインスン水性懸濁 ノボリンN
ヒューマリンN
慎重投与
中間型
インスリン製剤
中間型インスリンリスプロ ヒューマログN 慎重投与(妊娠中の投与に関する安全性は確率していない)
混合型
インスリン製剤
 ヒト二相性イソフェンインスリン水性懸濁  ノボリン30
ヒューマリン3/7
慎重投与
混合型
インスリン製剤
 二相性プロタミン結晶性インスリンアナログ水性懸濁  ノボラビット30ミックス
ノボラビット50ミックス
ノボラビット70ミックス
慎重投与(妊娠中の投与に関する安全性は確率していない)
混合型
インスリン製剤
インスリンリスプロ混合 ヒューマログミックス25
ヒューマログミックス50
慎重投与(妊娠中の投与に関する安全性は確率していない)
配合溶解インスリン製剤 インスリンデグルデク/インスリンアスパルト配合 ライゾデグ 慎重投与(妊娠中の投与に関する安全性は確率していない)
時効型溶解インスリン製剤 インスリンデテミル レベミル 慎重投与(妊娠中の投与に関する安全性は確率していない)
時効型溶解インスリン製剤 インスリングラルギン ランタス
ランタスXR
インスリングラルギンBS
慎重投与(妊娠中の投与に関する安全性は確率していない)
時効型溶解インスリン製剤 インスリンデグルデク トレシーバ 慎重投与(妊娠中の投与に関する安全性は確率していない)

妊娠糖尿病のインスリン療法では、空腹時血糖値よりも食後高血糖が問題となることが多く、速効型インスリン、超速効型インスリンが使われます。

血糖値のはかり方 SMBG

 

  1. 必要な物を準備します。
    血糖測定器、センサー、穿刺具、穿刺針、アルコール綿、記録するもの、針を捨てる容器
  2. 流水で手を洗い、水気を拭きよく乾かします。
  3. 穿刺具に針をセットします。(一体型のものは不要です)
    測定器にセンサーをセットします。
  4. アルコール綿で指先を消毒し、よく乾燥させます。
  5. 穿刺します。
    ※血が出にくい場合は、手を揉んだり、指先を温めたりすると出やすいです。
    必要量の血液をセンサーに吸い取ります。
    ※血液量が足りないと、血糖値が正しくはかれません。
  6. 数秒程度で結果が表示されます。
    結果を記録します。
    針を針捨てに捨てて片付けます。

    ※使用後の針はかかりつけの病院や薬局で回収してくれます。自治体によってはお住まいの地域で捨てる事が可能な場合もありますので、各自治体に確認してください。

 

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